渓音TOP 沿岸TOP


 ◎私がこれまで使用した素材と特性について私感にて説明します。(新しい素材を使用したら追加します)

フレーム材
最初は檜が曲げやすくて折れにくく、安価な素材で良いと思います。ダイソーなどの100円ショツプでも
900oの長さのものが4枚セットで売られています。但しダイソーのものは幅が15o厚さが2oある
ため渓流用のフレームとしはちょつとごつい感じです。1bの定規を使ってカッターなどで幅を調整しても
良いのですがこれまた切るのが大変です。ホームセンターによって置いてある規格が微妙に違いますから
何件か当たってみることをオススメ致します。渓流用のネットとしては10o〜12oのフレーム幅、一枚1.5o
から2o幅のものを3〜4枚合わせにすると綺麗で繊細に仕上がると思います。折れやすい材質もありますが
上記のサイズに切り出すことができれば基本的には何でもフレーム材になります。最初は節、穴のあるものを避けて
素直な木目のものを選ぶといいですよ。製作にある程度時間がかかることがわかってからいい素材を使ってみてはどうでしょう?

こんなに手間がかかるんだったらいい素材でやらなくては・・・・が私の本音。です。(^^;;
ヒノキ 前述の通り安価で入手しやすく曲げやすいです。気をつけてみると、赤味、白身、杢の出て
いるもの、杢の綺麗なもの、等色々あります。塗装が染みこんで縮み杢が出たものもありました。
安い素材とバカにせず良く選んだ方が特ですよ。 利用範囲が広く応用次第では色々な味を引き出せます。
ウォルナット 柔らかくて曲げやすく失敗も少なく、塗装の乗り、発色光沢もなかなかです。私も好んで使用しています。
入手しやすく価格も手ごろです。 濃すぎないライトな茶色の発色は取り合わせにも苦労しませんよ。

柔らかいのでフレームを削って成形するときに削りすぎない様にして下さい。
メープル素杢 材質的にはかなり堅めの材ですが素杢の場合でしたら曲げにもさほど神経質になる必要は無いと思います。
何よりもその固い材質おかげで曲げの綺麗な線が出しやすい素材です。塗装の乗り、光沢の出方も抜群です。
バーズアイメイプル 点杢が綺麗です。西洋では幸せを呼ぶ木目と呼ばれています。フレーム材の両側に木目が集中していなければ
前述のメープル素杢同様の性格です。白っぽいもの、茶色っぽい物、黒っぽいものでは、塗装したときの感じが随分
変わってきますから取り合わせ前に試し塗りしてみた方が良いですよ。杢の密度が高くなると値段も多少高くなって来ます。
タイガーメイプル 綺麗なトラ目が出ます。杢に沿って曲げるので当然折れやすくなります。湯もみ、含水に充分な時間をかけて下さい。
熱を加える、湯気に当てるなどの方法で曲げている方もいらっしゃいますが、単純に時間をかけてじっくり曲げる方が
失敗が少なくて良いのではないかと思います。かくいう私も3000円分ほどは折っていますので・・・・・
ヒノキの5倍程度の時間をかけてじっくり曲げることをお勧めします。塗装を重ねて行くたびに曲げの苦労が吹き飛びますよ。これも良い素材になるほど杢が深くはっきりしていて杢の間隔も狭くなります=折れやすくなります。
最初はそこそこの杢で試して見て下さい。書いたほど、言われているほど難しくはないと思います
アカシア 木目自体はなんの変哲もないのですが、塗装の発色が良くなんともいい赤い色、と光沢が出ます。
素材としては癖も無く使い易い素材です。外張り、中間のアクセントにいいですね。
タモ玉杢 バットにもなる木なのではっきり言って固いです。成形の削りでもなかなか形出しに苦労します。しかし杢の面白さと
孔質の粗さが独特の風合いを出します。作業に手間が3倍近くかかるのであまり使用しません。塗装はかなり染みこみやすく層が形成されるまではこれまた根気が必要ですが光沢、風合いは他の素材には無いダイナミックさが出ます
ナラ 曲げ易く、癖も無く、杢もそこそこ、上品、繊細、渋目の仕上がりに向いています。
ケヤキ 手に入りにくい素材なのでどうしても!!という方は欅の薄板からジグソーなどで切り出した方が手軽です。
落ち着いた和風? っぽいいい仕上がりになります。曲げはさほど困難ではありませんが含水させすぎると角が出やすくなる様です。
欅も赤身、白身、などで風合いが全く変わってきます。色々試してみて下さい。塗装は孔が埋まるまで塗り重ねをする頃には
すばらしい光沢が出ます。しかも落ち着いたいいものです。好きな素材なのですが入手が困難です。
コクタン 固い、曲げにくい、折れる、などど言われますが湯もみ、曲げともタイガーメイプルほどの時間をかければ問題ありません。
ただ復元力の高い素材なので湯もみ後の形決めは他の素材よりも力を入れて、乾燥も時間をかけて下さい。
黒一色なのであまり使用しません。杢目の出ているものは高価です。(仏壇も同じ)
グリップ材 これも基本的にはなんでも良いのですが、ハンドメイドのネットの製作過程はかなり時間も
手間もかかり骨が折れるものです。最初に試験的に作るのには身近に入手できる安価な材料
で良いと思いますが、良い材料を使用すると仕上がりの風格は又違ったものとなってきます。
杢が出ているからと言ってけして堅くて作業が困難な材料ばかりではありません。お好みで選択して下さい。
楓縮み玉杢 国産の縮み玉杢です。この画像は割とおとなしい杢ですが、飽きが来なくて良いものです。外材のメープルよりは
かなり色白です。加工は固くて型出し、垂直出しとも大変ですが、塗料の乗りと光沢は抜群です。全体的なシェイプも綺麗に出ます。
ブビンガ 素杢と玉杢がありますがこれは玉杢です。原産地はアフリカです。素材としては柔らかく切削、研磨、とも大変楽です。塗料は染みこみ易い性質です。塗装を重ねていくと素晴らしい光沢と杢が浮かび上がります。杢目が良いほど高価です。いいものはなかなか入手困難です。
カツラ ホームセンターなどでも比較的安価に入手しやすい材料です。加工も簡単です。柔らかいので削りすぎに注意して下さい。塗装後の光沢し流れる杢目は落ち着いた雰囲気が出ます。
山桜 こちらもホームセンターなどで入手しやすいのですが、杢の出たものはなかなか見つかりません。素材的にはかなり固く、切削には苦労します。時折縮みの入っている素材もありますから選ぶ時は横から透かして見ると良いと思います。塗装後の光沢は渋い味わいで好きな素材です。
樺瘤 なかなか良いものが入手できない素材の一つです。良い杢のものは高価です。加工は固い!! と言えます。
塗装の乗り、光沢、風格は抜群です。重厚な雰囲気に仕上がります。
月桂樹の瘤  繊維質が強く固い素材ですが成形にはさほど苦労しません。塗装の乗りも良く独特の渋い光沢と色合いが魅力です。なかなか入手出来ないのが難点です。
メープルの瘤 色合いは赤身、白身、茶色が強い物、と色々あります。基本的に瘤の部分なのでかなり固い良いラインが出るのはメープルならではです。塗装は最初は染みこみ易いのですが塗り重ねていくうちに重厚な風格が出ます。ワインレッドに近い色のいい瘤目は花梨、ブビンガに匹敵する良いものもあります。杢目のわりには比較的安価に入手できると思います。
トチ縮みトラ目 絹の様な美しいトラ目の細かいものが最上級です。材質的には白っぽいものが多いのですが、入り皮部分が茶色に変色しているものもあり変化が面白い。一件柔らかそうなのですが、かなり固い材で加工は難儀します。塗装は材の孔が割と大きい為塗り始めは塗料が吸われなかなか層が出て来ませんが塗り重ねて行くとトラ目が3Dの様に浮き上がり上品に仕上がります。
回転ブラスヒートン 5oのトローリング用ヘビーサルカンを使用しています。材質は真鍮製で渓流用のネットには丁度良い大きさです。以前はどこの釣り具店にもあっものですが、最近入手困難となって来ました。必要な方には送料込み10個1500円にてお分け致しますのでご連絡下さい。
ネット生地 粗めのウレタンメッシュ地を使用しています。縫製はロックミシンにてフチ縫いしています。細かいメッシュ地より水切れが良く、フックが引っかかっても簡単に外すことが出来、水に入れる時の抵抗が少ないのが特徴です。手縫いのネットは魚に網の目が付くのが好きになれないので当初より使用していません。
ネット止めの紐 10種類ほどの紐を染色し試行錯誤したあげくナイロンの測量紐に落ち着きました。太さと柔らかさ、強度を兼ね備え、染色後に独特のいい光沢がでるのず気に入っています。
染料 市販の手芸店などで入手できるシンプリコールなどを使用しています。濃色促染剤を使用すると染まる時間が早くなりますがコスト高になるので殆ど使用していません。かなり奥の深い作業です。目指す染める色に含まれる染料を何種か購入し、明るい色から染めて好みの色に仕上げると奥の深い良い色が出せると思いますが色々試して見て下さい。 
塗料(下塗り) ワシンの木彫オイルを3倍ほどに薄めてサンディングしながら3回塗りしています。乾きにくいのが難点ですが、染みこみによる材の強度UPと杢目の浮き上がり効果を考えるとやや薄めて使用した方が仕上がりと経済効果が良いと思います。最初は布で塗りますが、その後完全に乾燥した状態で400番程度でカラ研ぎしその後は刷毛を良くしごいて薄く重ね塗りして完全に乾燥させ800番にてカラ研ぎして仕上げに入ります。
塗料(仕上げ) 製作場所の制約もありますが、2液ウレタンは毒性があまりにも強いと感じ使用していません、普通のホームセンターなどで販売している一液ウレタンを使用しています。使用時は、最初の3回〜5回目までは2倍程度に薄めたもの、その後3〜5回程度は4−5倍に薄めたものを使用しています。
薄め液 テレピン油を使用しています。乾燥時間の低減とツヤがやはり通常のうすめ液よりは良いです。
接着剤 10分硬化、12時間硬化、のエポキシを使用しています。毒性があるのでいやなのですが滑るので素手で貼り合わせています。これからは天然素材であるニカワなども試してみようと思います。

使用工具などはこちらです。→→→